ヒナギク(雛菊、学名:Bellis perennis)は、キク科の多年草(日本では一年草扱い。)。別名はデージーデイジーチョウメイギク(長命菊)、エンメイギク(延命菊)。園芸植物として栽培される。イタリアの国花。

分布

原産地はヨーロッパで、原種は芝生の雑草扱いされている。北アメリカ・アジア・アオセアニアに外来種として広く帰化している。

日本には明治時代初期に渡来し、北海道などの冷涼な地域を中心に定着している。

特徴

多年草であり、学名の種小名 perennis も「多年生の」という意味であるが、日本では夏が暑くて越夏できないことが多い。このため、通常は秋蒔きの一年草として扱う。寒冷地で越夏できるようであれば、株分けで繁殖させることができる。開花期は春で、舌状花が平弁咲きのものと管弁咲きの種類がある。

草丈は10 - 20cmくらい。葉は根生葉(ロゼット)で、長さ5cmくらいのへら形で鋸歯があり、薄く毛が生えている。花は、市販品は11月頃から店頭に出回るが、露地で栽培した場合は3月から5月に咲き、花径は2cmくらいの小輪多花性種から、10cm近い大輪種まである。半八重または八重咲きで、舌状花は平弁のものと管弁のものがある。花の色は赤・白・ピンクと絞りがあり、黄色い管状花とのコントラストが美しい。

栽培

8月に種蒔きをすると年内に開花するが、発芽には涼温が必要なため、9月に蒔くのが一般的。種はとても細かいので、浅鉢に蒔き、覆土はかなり薄めにして、受け皿から吸水させる。

名前にデージーの付く植物

名前にデージーの付く植物が以下のようにいくつかあり、ヒナギクと紛らわしいので注意を要する。また、ヒナギクのことをコモンデージーということも稀にある。

  • グロリオサデージー(キク科オオハンゴンソウ属(ルドベキア属)、学名:Rudbeckia hirta
  • ブルーデージー(キク科フェリキア属、学名:Felicia amelloides
  • ユリオプスデージー(キク科ユリオプス属、学名:Euryops pectinatus
  • シャスタ・デイジー(キク科キク属、学名:Chrysanthemum × burbankii
  • リビングストンデージー(ハマミズナ科(ツルナ科)、学名:Dorotheanthus bellidiformis
  • カリフォルニア・デイジー(キク科ライア属、学名:Layia platyglossa、別名:ライア・エレガンス)

脚注

外部リンク

  • デージーとは|育て方がわかる植物図鑑 - みんなの趣味の園芸(NHK出版)

ヒナギク

ヒナギク

野生のヒナギク ストック写真 FreeImages

ヒナギク

ヒナギク