RBBP4(retinoblastoma binding protein 4)は、ヒトではRBBP4遺伝子によってコードされるタンパク質である。RbAp48(retinoblastoma-associated protein 48)、NURF55(nucleosome remodeling factor 55)といった名称でも知られる。
機能
RBBP4はWDリピートタンパク質ファミリーに属し、普遍的に発現している核内タンパク質であり、ヒストンのアセチル化やクロマチンの組み立てに関与するタンパク質複合体中に存在する。RBBP4はMi-2/NuRD複合体の一部を構成しており、この複合体はクロマチンリモデリングやヒストンの脱アセチル化と関連した転写抑制への関与が示唆されている。またこのタンパク質は、転写サイレンシングの重要な要素であるコリプレッサー複合体の一部にもなっている。Rbタンパク質と直接相互作用して細胞増殖を調節するタンパク質の1つであることも知られており、E2F応答性遺伝子の転写抑制にも関与しているようである。
臨床的意義
脳内の海馬の歯状回におけるRBBP4の減少は、正常な老化過程における記憶の低下の主要因である可能性がある。ヒトの剖検組織、そしてマウスでも、歯状回において加齢と関連したRBBP4の減少が観察される。さらに、ドミナントネガティブ型遺伝子のノックインによって、若齢マウスでも老齢マウスで観察されるような記憶の欠陥が引き起こされる。レンチウイルスを用いた遺伝子導入によって脳内でのRBBP4の発現を高めることで、老齢マウスの記憶の欠陥は回復する。
RBBP4の作用の少なくとも一部は、PKA-CREB1-CBP経路を介したものである。したがって、この経路を刺激する薬剤は、加齢と関連した記憶の低下を回復するための治療アプローチの1つとなる可能性がある。アデニル酸シクラーゼと正に共役しているD1/D5ドーパミン受容体に対するアゴニストである6-Br-APBやSKF-38,393、cAMPホスホジエステラーゼ阻害薬であるロリプラムは老齢マウスの記憶の欠陥を低減することが示されている。
相互作用
RBBP4は次に挙げる因子と荘祖作用することが示されている。
- BRCA1
- CRREBBP
- GATAD2B,
- HDAC1
- HDAC2
- HDAC3
- MTA2
- RB
- SAP30
- SIN3A
出典
関連文献

![RBBP4重组抗体[EPR3411]_RBBP4抗体(ab210834) Abcam中文官网](https://www.abcam.cn/ps/products/210/ab210834/Images/ab210834-260258-anti-rbap48-antibody-epr3411-phycoerythrin-flow-cytometry.jpg)


