変旋光(へんせんこう、mutarotation)とは、単糖のアノマーにおいて旋光度が自発的に変化する現象である。

α-アノマーとβ-アノマーはその化学的立体構造の違いから旋光度が違っている。α-アノマーとβ-アノマーの間には、鎖状構造を介した平衡が存在し、水溶液中の単糖ではこの三者が混合された状態にある。α-アノマーとβ-アノマーの比率の変動によって水溶液の旋光度に変化が見られ、やがて両者が平衡状態に達すると旋光度は一定になる。

マーチン・ローリーがニトロ-d-カンフル (nitro-d-camphor) の旋光性が時間とともに変化することを示し、変旋光と名付けた。

具体例

グルコース
α-D-グルコピラノースの旋光度が 112° β-D-グルコピラノースの旋光度が 18.7°であり、平衡混合物の比旋光度は52.7°を示す。
水中において平衡状態に達したとき、αとβの比率は36.4:63.6になる。
ガラクトース
α-D-ガラクトピラノースの旋光度が 150.7° β-D-ガラクトピラノースの旋光度が 52.8°であり、平衡混合物の比旋光度は80.2°を示す。
水中において平衡状態に達したとき、αとβの比率は27:73になる。

関連項目

  • グルコース

計画班B01・分子科学研究所・岡本 裕巳教授らの論文がScience Advance誌に掲載されました。 光の螺旋性が拓くキラル物質科学の変革

旋光 (せんこう) JapaneseEnglish Dictionary JapaneseClass.jp

単糖の環状構造・鎖状構造の平衡状態と変旋光 生命科学系エンジニアの学習ノート

旋光度与比旋光度之间的差异 新闻 2025

Stanford Linear Accelerator Center April 7, 2004 written by T. Mizuno